平成11・12年度 文部省指定  環境データ観測・活用事業        溝本 政行
環境学習ネットワーク(Environmental Investigation and Leaning Network:EILNet)
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観測項目:以下の6つの項目の中から、1つ以上を選んで本部に報告するとともにインターネット上で公開する。
 
@ ヒートアイランド現象
A 川に親しむ
B タンポポが生えている場所の様子を調べてみよう
C 酸性雨の測定とその影響
D サウンドスケープ
E 食文化とライフスタイル
 
本校は、上のABCを実施します。
 平成11年度は、AとCを、3年生選択理科で実施Bは、2年生選択技術で実施しました。
 平成12年度は、ABCのすべての項目を、新しくできた「科学部」で実施する予定です。

 

  以下 EILNet環境データ観測・活用事業)のマニュアルより引用

A 川に親しむ

 ◎ 「川を調べる」
  ※ 水質検査
  1  水温
    ・ 水をバケツで汲んだらその場でアルコール温度計で測る。できるだけ時間が経過しないようにする。
      (生物の生存は温度に左右される(高すぎず、低すぎずが大切)
  2  濁度
    ・ 濁度計を作成し、川べりで測定する。濁度計は約1メートルのアクリル筒で作成する。一方の端のマ
     ークが見える限度の水の深さを測定する。水に溶けていない粒子の量を測定することになる。
  3  pH
    ・ 水のpHは、採取した時刻によって変化する。とくに湖や沼では昼間pHは高く、夜低い傾向にある。
    測定はpH試験紙、またはpHペンで行う。水のpHが高すぎたり、低すぎたりすると生物の生息が難しくなる。 
  4  溶存酸素
    ・ Dissolved Oxygen で、通常DOと称している。滴定が定法であるが、この滴定を簡便にした方法、電気
     的に調べるDOメーター、また、もっと簡便にはかる方法もある。有機物で水の汚濁がすすむと、微生物
     によって水中の酸素が消費され、この数値は低下する。
  5  化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand)
    ・ 通常CODという。正式な定義は、使用する化学薬品中の酸素の消費量であるが、水に溶けている有機
     物の量と考えても差し支えはない。この数値が高いと、水に有機物が多く溶けていて、有機物汚染が
     進んでいることを示している。
 
   ◎ 以上であるが、これとあわせて、水質検査をする日の天候など(降雨、気温など)を調べておくこと。
     調べる回数は、春、夏、秋、冬の年4回。もっとできる学校は回数を増やしてほしい。
 
  ※ 生物調査
   ・ 生物調査は、水質調査とともに大切な調査になる。水の状態によって、生息する生物の種類や量も異なっ
   ている。きれいな水のところにしか生息しない昆虫や魚、有機物で汚濁が少しすすんで生息する生物など、
   それぞれ環境に適応した生物が生息している。
   ・ 今年の夏は、水生昆虫の観察をしてみましょう。
   ・ 水辺の草むらで鳴く虫、トンボ、野鳥なども観察してみよう。
 
  ※ 問題の整理
   ・それぞれの調査の結果を整理してまとめた上で、今その川はどのような状態かを話し合い、よい部分を改
   善する方法を出し合う。その中で、一番重要であると思われる問題を見つけだし、自分たちの行動計画をつ
   くる。
    このプログラムは、この行動計画をつくるところでおわり

  ※ 川を伝えよう
   ・このプログラムで気づいたことを他の人に伝えることは大切なことである。このプログラムに参加している
   学校に、また学校の他の生徒に、地域の人たちに、皆さんがどのようにして川に親しみ、川を知り、何を伝
   え、どのようなアイデアを提案したかを、わかりやすく伝えることが大切

  ※ ホームページの作成
  ・遠く離れた人に伝えるには、電話、手紙の他に、インターネットが一つの手段になりつつある。しかも、大勢
   の人に見てもらえる特徴をもっている。
  ・ 他の学校のホームページを参考にする。
  ・ 自分たちが川を見て感じたこと、写真、絵、地図上に川を描いたものをホームページに載せる。
  ・ 調べたこと、インタビューしたことを整理して、ホームページに載せる。
  ・ 体験した結果の考えや感想、また川の保全の行動計画などもあればさらに充実する。
  ・ 皆さん自身のことも紹介する。
  ・ 皆さんのホームページには、他の参加学校とリンクをはる。中央センターのホームページには学校のリンクの
   ページがある。それを活用するのもひとつの方法である。
  
  ※ 報告書を作成する
   ・ 冊子にすれば、インターネットに通じていない所でも知らせることができる。また、学校の他の友達に見せ
    たり、地域の人に配ったりすることができる。これをホームページに載せることができれば一石二鳥である。
 
  ※ 報告会、シンポジウムなどを企画してみよう。  
   ・シンポジウムなどを企画して、お父さんやお母さん、または地域の人に集まっていただき、皆さんが行った
   さまざまな活動をみんなで一緒に考える。良いアイデアが出てくるかもしれないし、皆さんが難しいと思って
   いたことも、さまざまな人の助言で可能となるかもしれない。報告会やシンポジウムの結果をホームページ
   に載せれば、遠く離れた人にも良いヒントになる。
  ※ ポスター、ニュースレターなどを作成してみよう。
   ・学校の他の皆さんの活動を知ってもらうため、ニュースレターやポスターなどを作ってみよう。それをホー
   ムページに載せることも忘れないようにしよう。
  ※ 誰に、何を、どのように聞いて調べたら良いのか、またどのような下準備が必要なのか、どのような記録
   が必要なのかをみんなで話し合う。
 
B タンポポが生えている場所の様子を調べてみよう

EILNetにおけるタンポポの観察・調査

  ※ 観察調査の目的
   ・日本では一般に、温暖で雨が多いため、放っておくと森林が成立する。地上に茎を持たないため背丈が
    低いタンポポは、森林や背の高い草の下では太陽の光を受けられず、生育できない。
   ・タンポポの生育地では、森林になろうとする自然の動きに逆らって、木や野草繁殖を妨げる力が必ず働
    いていることになる。この力は多くの場合、開発による自然への圧力ということができる。
   ・EILNet「タンポポ」の目的の1番目は、この人間による自然の圧力をタンポポを通して読みとることにあ
    る。 タンポポが生育する場所は、人間の影響を強く受けるところである。在来種タンポポは、田園的土地
    利用や古くから保存されてきた場所に、外来種タンポポは、開発されたり共存植物があまりない場所に主
    に生育するという特徴がある。
   ・都市の中心部など在来種タンポポがない地域では、他所の在来種生育地の情報をネットを通じて受け取
    り、在来種タンポポのようすを知ることが可能となる。さらに、在来の動植物のすみかと外来種の進入場
    所などへの一般化、人間による自然の改変、自然保護を考える契機ともなりうるテーマである。

  ※ 植物観を養おう
   ・タンポポそれ自体について学ぶことは、単に植物と親しむ以上に植物の生きざまを客観的に理解すること
   になる。たとえば、春にタンポポがあるのは誰も意義を唱えないでしょうが、夏、秋、冬にもタンポポは生きて
   いるのに、多くの人はそれらの季節のタンポポを知らなかったり、気づかなかったのではないか。タンポポは
   春の植物であるというイメージはたいへん強く、花の季節だけが、タンポポが生育している季節だと錯覚して
   いる人がいるようである。
   ・タンポポが人間の影響を強く受けて生育し、影響の差異によって生育する種に違いが起きることは、自然
   が人間社会のなかに組み込まれている、いわば社会化された自然とわたしたちは日常的につきあっている
   という自然像に気づくことになる。こうしたタンポポ観をつくりあげることが、EILNet「タンポポ」の第2の目的
   である。 
 
C 酸性雨の測定とその影響

 最近、私たちのまわりには酸性雨と呼ばれる雨が降っていることが知られている。
 雨水は大気中の二酸化炭素を溶かし込むため、本来弱い酸性(約pH5.6)を示す。酸性雨とは、これよりもさら
に低い雨のことをいう。酸性雨の主な原因は、大気汚染物質として問題になっている硫黄酸化物や窒素酸化
物である。硫黄酸化物は(二酸化硫黄SO2、三酸化硫黄SO3、硫酸H2SO4など)は、ボイラーや自動車の排
気ガスが原因で発生する。大気中に放出されたこれらの汚染物質が雨水に溶けることによって雨水が酸性に
なる。酸化物は、雨水や雪だけでなく、霧にとけたり、ちりとなって落ちてきたりすることも知られている。
 このように考えると、酸性雨とは酸性の雨が降っているというだけの問題ではなく、大気汚染によって生じた
酸化物が大気から地表に沈着する現象の一つであることがわかる。そして、地表面に沈着した酸化物が、地球
環境にさまざまな悪影響をおよぼすことも大きな問題である。たとえば、酸性雨により森林が枯れるという被害
が世界各地で報告されているし、屋外の建物や文化遺産などが溶けるのも酸性雨が原因と考えられている。
 このプログラムでは、実際に降雨を採取し、そのpHや導電率を測定することにより、私たちのまわりで降ってい
る酸性雨の実態を把握する。さらに、大理石の環境暴露実験(大理石を屋外の雨にあたる場所やあたらない場
所に放置する)を行い、大気汚染物質の沈着とその影響を観察する。これらの結果をとおして、また地域ごとの比
較を行いながら、大気汚染の様子を理解する。
 雨水中には、酸性の物質とともに、アルカリ性の物質(アンモニアNH3、硫化水素H2Sなど)がとけ込んでいるこ
とがある。このような場合、電気伝導率を測定すると高い値を示すので、汚染物質を含んでいる雨であることがわ
かる。

1 観測する事項
(1) 降雨の採水と測定
 降雨中の1mm毎の雨水のpHと導電率の変化に着目し、市販されている「酸性雨分取器(レインゴーランド:堀
場製作所)」を用いて1mmごとの雨水を採り、それぞれのpHと導電率を測定する。1降水毎に、採水と測定を繰
り返し、その変化の様子を調べる。1降雨毎の雨水のpHと導電率の値の変化の様子は、場所、降雨量、雨の強
さ、風向、降雨前の天候など、様々な要因に影響されているので、これらの観測を同時に行い、比較し考察する。
さらに、展開として、いろいろな地域の雨と比較検討してみる。

(2) 大理石試験板の環境曝露実験
 酸性雨の原因となる大気汚染の実態とその影響を観察するために、大理石試験板を
  @ 設定した雨水採水器付近に設置(屋外曝露試験:曝雨環境)する。
  A 百葉箱内など雨にあたらない場所に設置(屋内曝露試験:遮雨環境)する。一定期間曝露し、3ヶ月毎に回
   収し、
    @の曝雨環境については、大理石試験板の重量測定を行い、重量の変化を求める。
    Aの遮雨環境については、大理石試験板の重量測定を行い、重量の変化を求める。さらに、 その大理石
     試験板を蒸留水に浸し、遮雨環境(大気環境)曝露試験により生成した可溶成分 を溶かし、その導電率
     を測定する。
 年間を通じての変化を調べ、降雨中のpH導電率の変化や季節変化などとの比較を行う。さらに、他地域(他の
中学校)の観測結果とも比較検討し、観測地点での特徴をみいだす。

2 観測の時期と回数
 (1) この調査は、1降雨毎に行うことが望ましいが、各中学校の実情にあわせて、可能な限り行ってほしい。降
  雨後、すみやかに1mm毎の雨水を回収して、それぞれのpHと導電度を測定する。堀場製作所から「酸性雨
  データ処理ソフト」が用意されているので利用することができる。1降雨毎に雨水の採水と測定を行い、その変
  化の様子を調べる。雨水のpHと導電率の値は、場所、降雨量、雨の強さ、風向、降雨前の天候など、様々な
  要因に影響されるので、これらの観測を同時に行うとよい。
 (2) 大理石試験板の環境曝露実験
  大理石試験板は、四季(春夏秋冬)に対応させ、3ヶ月毎に回収する。年間を通じての変化を調べる。降雨中
  のpHや導電率の季節的な変化と比較検討する。

3 観測場所
 降雨の採水と測定、大理石試験板の環境曝露実験とも同じ場所で、中学校内の百葉箱(気象観測が行える
場所)付近が望ましい。障害物のない場所を選ぶこと。

☆ 観察の手順
 手順1  まず、観測する場所を決める。
     百葉箱付近で、障害物のない場所を選ぶ。

 手順2 降雨の採水と測定
     @ 1降雨における初期降雨から1mm毎の雨水をレインゴーランドにより採水する。
     A 1mm毎の雨水を回収し、それぞれのpHと導電率を測定する。
     B 1降雨毎に、@採水とA測定を繰り返し、その変化の様子を調べる。
     C 観測結果の変化の様子と気象条件などとの比較検討を行う。
     D 他の中学校の観測結果と比べてみることにより、観測地点の特徴をみいだす。

  ※レインゴーランドは、堀場製作所から市販されている。
  ※pHと導電率の測定は、堀場製作所から酸性雨測定キットとして市販されている簡易測定計が使いやすい。

 手順3  大理石試験板の曝雨環境曝露実験:雨にあてる、雨が降ってない場合には大気にさらされている。
     @ T字型大理石曝露器(大理石が4個セットできる)を雨水採水器付近に設置する。
     A 配布された大理石4個とも、重量を測定する。曝露前後の重量の増減を記録する。

※T字型大理石曝露器は、事務局から配布する。
※大理石試験板(20×20×3mm)は、事務局で必要な前処理をして、各中学校に配布する。

手順4  大理石試験板の遮雨環境曝露実験:雨にあたらないようにして、大気のみにさらされている。
     @ 配布された大理石4個とも、遮雨環境に曝露する前に重量を測定しておく。
     A 百葉箱内など雨にあたらない場所に設置(屋内曝露試験:遮雨環境)する。4個の大理石が触れ合わ
      ないように、ビニール紐でつるす。
   ・ 一定期間曝露し、3ヶ月毎に回収し、大理石試験板の重量測定を行い、曝露前後の重量変化を求める。
   ・ 回収した大理石試験板を蒸留水に浸し、遮雨環境(大気環境)曝露試験により生成した可溶成分を溶か
     し、その導電率を測定する。
   ・ ブランクテストとして、別に配布した大理石で曝露前の大理石についても同じ実験を行う。曝露後のもの
    から、曝露前(ブランクテスト)の数値を差し引くことにより、曝露期間中の増加分とする。
  ※ 大理石をつるすビニール紐は事務局で用意する。
  ※ 大理石試験板は、手順3と同一のものを5個配布する。

アイルネットについては、以下のホームページを参照してください。

東京学芸大学「環境学習ネットワーク」 http://fsifee.u-gakugei.ac.jp/eilnet/index.html
                          http://fsifee.u-gakugei.ac.jp/eilnet/eilnews/eilnews2-1.html

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